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2014_10
03
(Fri)22:40

女殺油地獄

先日の「八嶋智人×マギー生対談」で
堤真一さんが
「結構ヤカラなお兄ちゃん」
「可愛いらしい末っ子キャラ」と言われているの聞いて、

と思い出したのが、

五社英雄監督(1992年5月公開)の
「女殺油地獄」

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これは、DVD化されていないんですよね。
みよごんの家にはビデオデッキがなく、
実家に行かなければ観られません。
そのデッキももう古く、いつ壊れるか…
セルVHSはセキュリティーがかかっているのでダビングもできないし、
松竹さんでDVD化してくれるとか、
どこかのチャンネルで放送してくれるのを密かに期待しています。
というわけで今回は忘備録的にまとめてみました。
五社版の与兵衛は、
悪人ではないけれど行状が悪く、
その場しのぎで向こう見ず。
心配してくれる人の想いをよそに、
己の人生を見つめられずにいる。


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空っぽなうつろな眼

身体の内に燃え盛る得体のしれないものを
何に向けたら良いのかわからず・・・

美しい小菊の身勝手な恋(遊び)に翻弄される。

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小菊の都合の良い嘘のために濡れ衣を着せられ、拷問にあってもなお、
与兵衛の心には小菊しかない。

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思いつめた眼。コワッ・・・
与兵衛は降りしきる雨に身を隠し、小菊を連れ去る。

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一途な想いを込めた眼
命がけの逃避行の後、甘いひと時もつかの間、
愚かな二人の企ては、ふがいなく頓挫。



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小菊は親の決めた男の許に嫁がされる。
狐の嫁入りを模した花嫁行列の美しさは息をのむばかり。

しかし、
嫁いだ後も小菊の男狂いは直らず、
与兵衛はまたも振り回される。

そして、
かつては与兵衛の乳母を務め、
小菊の婚礼の際には介添え人も果たしたお吉が
小菊から受けた屈辱的な行為をきっかけに、変わっていく…

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女性から見ても艶っぽい。



お吉は小菊の名を騙り与兵衛を呼び出す。

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与兵衛は川を下り(上り?)
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足早に茶屋へ・・・

凛と背筋を伸ばした堤さんが
小船に乗って夕暮れの出会い茶屋なんて、とても美しい情景。



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与兵衛はお吉に誘惑され・・・・・・・・・・・・溺れていく。






そして、またしても
その深みに嵌っていくのは与兵衛のほうであった。
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普段の生活に戻って行ったお吉を追い求め、
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お墓で逢い引きって静かでいいかも
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全てが灰色のグラデーション。美しい。
駆け落ちの約束を取り付ける。


だがその目論見は露見し、
与兵衛はお吉の夫から制裁を受けることとなる。
小菊に続いて、お吉にも裏切られたのだ。
もはやこれまでと覚悟を決めた与兵衛だったが、
突然、
お吉の夫は床に額をこすり付けて懇願するのであった。
「お吉はわしが惚れぬいてもらった女房だから、どうか諦めてくれ」

いくら温厚で勤勉で寛容で夫として申し分なくても、
男としてはこの甲斐性無しの若造に負けている
と判っているお吉の旦那さんが切ないです。


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涙を流しながら懇願し続ける男の声を背中で聞きながら、
与兵衛の心は少しずつ変わっていく。



与兵衛は江戸に行く決心をする。



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与兵衛の心をまだ動かせると思っているお吉。

自分の決心を貫こうとする与兵衛だが、
お吉の身勝手な言葉に、今までの鬱積した思いに火がつき
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事態は一気に悲劇へと走り出す。


この後が文字通り「女殺油地獄」
髪も着物もみるみる乱れ、油にまみれながらの壮絶な修羅場です。



与兵衛は脳幹だけで生きているような男ですが、
女性を想う気持ちにだけは嘘はなく、純粋でまっすぐ。
それだけに、江戸に行く決心をした後の悲劇には心が痛みました。
与兵衛さん可愛いそう

それに比べると女性二人は欲が深い。
すべてを持っているはずなのに、
手練手管を使って、もっともっと、と求め続ける。

この映画には
登場人物二人だけの会話のシーンが多く、
尚且つ、その一つ一つが
じっくりと1つのカメラで撮影されているので、
それぞれの心の動きが見て取れます。

目は口ほどにものを言う

堤さんの大きな瞳が印象的でした。




      
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