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堤真一 考 その4 ~涙~ 

堤真一(敬称略)の演技を思い出すとき、
外せないのが「涙」ではないだろうか。


堤真一ファンでならずとも印象に残っているのは
「容疑者Xの献身」のクライマックス、
石神の号泣であろう。
あの映画のすべては、この瞬間、
堤真一に持って行かれたのである。

風貌もさえなく、
やっている事もどこかオタクっぽく、
実はストーカー?と思わせる場面もあり、
嫌悪感すら抱かせる役柄なのに、
石神が膝を折って崩れ落ちた途端
観客は彼に共感してしまう。
恐ろしい過ちを犯しているにもかかわらず、
彼の全てを捧げた願いが成就しなかったことを嘆くのだ。


「SP革命篇」
麻田首相に銃口を向けた尾形係長は、
微動だにしないまま、
大きく見開かれた左の眼から涙を流す。

そのたった一粒の涙は
彼の頬に痕跡を残しながら流れていく。

しかしその後、
ただ一人の同志と思っていた兄に裏切られたときでさえ、
彼は涙を見せることはないのだ。



「ALWAYS 三丁目の夕日'64」
六ちゃんの結婚を認めたとき、
鈴木オートは相手の男にすごむ。
「六を幸せにしなかったら、俺はお前をぶっ殺す!」
鬼の形相になった鈴木オートの目には
みるみる涙が溢れてくる。



「GOOD LUCK」最終回
新海副操縦士が無事ホノルルへの着陸を果たした時、
香田キャプテンは新海への講評を伝えながら
思わず涙に声を詰まらせる。



どの涙も「愛」故の涙だから、
見ている者の心を動かすのだと思う。

もちろん、
脚本も、演出も素晴らしい。
しかし、
堤真一だからこそ表現し得た涙ではないかと思うのだ。


昨年末に放送された
「神秘の熊スピリットベア」

スピリットベアと奇跡の邂逅を果たした時
彼は「涙が止まらない」。
彼の心の中に去来する物のすべてを推し量ることはできないが、
ともかく感動して涙を流したのだ。
「スタジオパーク」で当時を振り返った時でさえ、
彼の眼には涙がキラキラと輝いていたのだった。


ところで、
実生活において身近な男性の涙を見ることはあるだろうか?
事実は小説より奇なり、とはいうものの、
日常生活において
感動的な出来事はそうやすやすと起こったりはしない。
なおかつ、
その感動を敏感に感じて素直に表現するのは
なかなかできないことではないかと思う。

自分の結婚式で涙を流している新郎を見たことがあるが、
ほほえましいとは思ったものの、
あまりみよごんの心は動かされなかった。
同じ感動でもちょっと違うのではないかと思うのだ。



素晴らしい感受性を持っているから役者になれるのか、
役者をしているからこそ、感受性がより磨かれるのか、
どちらにしても、
極上の「涙」を見せてくれる堤真一に、
みよごんは惚れるのである。


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